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昭和のサスティナブルなくらし

カルトナージュこそSDGsと、昨年もお話ししましたが、お菓子の箱など捨てずに再利用して新しく生まれ変わらせるワザはまさに今の流れに乗っています。

とは言え昭和生まれの日本人にとっては目新しいことでも何でもなく、私の子供時代など東京のど真ん中でもスーパーもまだなく商店街がお買い物の場。
八百屋さんでは新聞紙で袋をお店の人が作ってその中にお野菜を入れてくれたり、新聞紙で包んでくれたり。
魚屋さんに行けば、経木でお魚を包んで新聞紙でくるむ。
今でこそお買い物袋皆さん持っていますが、買い物にはカゴでできた買い物カゴを持参が当たり前の時代でした。

そしてお豆腐はお豆腐屋さんが自転車の荷物置きに木でできたお豆腐の入った水がはってある箱を乗せて、近所の至る所笛を鳴らしては「とーふー」と声を張り上げて巡ります。
笛が鳴ったとき外に水を張ったボールを持って出ればすぐに買える、と。
のどかなものです。

卵も籾殻の中に並べられていて、一個から買うことができました。
パン屋さんに行くと、少し大きめの紙でできた袋に、ガラスケース越しに並んだ菓子パンを選ぶとお店の人がカレーパンだろうとチョコレートパンだろう買った分だけ全部ひと袋に押し込んで、袋上部の両端をくるりと一回転させて袋を閉じてくれます。
今のように一個一個入れるなんてもったいないことはしていませんでした。

ところがパリに住んでいたとき、パン屋さんで菓子パンを数個買ったら、日本の昔と変わらない方法で袋にぎゅうぎゅう詰めてくるりと回して蓋代り。現代でもやってるじゃない、と、とても懐かしかったです。

都内の文京区に住んでいてこうだったんですから、今では想像もつきませんね。

当たり前に日本人がやっていたSDGs。今でもまだ遅くない、できます。

友人と会うので近くのパン屋さんで新作のメロンパンのラスクをお土産にしようと思ったのですが、お店で箱の用意がなかったので京都一保堂のお茶が入っていた箱を変身させまました。

いかにも和風柄なので色が映らないようにルチェルトラ柄の無地のプリントペーパーでカバーすることにしました。

どら焼きの箱

縦横高さに糊代分を足して大きさを製図すればあっという間に箱がモダンに変身。
箱作りに関しての詳細は<道具の扱い方→2020/4/16立ち上がり式の箱と道具の使い方>に掲載されています。

出来上がり

こんな簡単な方法でできるので、箱が捨てずに残っていたら可愛く変身させて手作りクッキーとかを入れて差し上げれば、いただいた方にも気持ちが伝わります。
マスクで顔を隠す生活がもう3年も続き、相手に喜んでもらえるようなお付き合いとか、カルトナージュを通してできれば,と思うこの頃です。

ラスク入れの箱に変身