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藍染のフォトブック

昨日、レッスンをすべて終了され、当方のディプロマ試験を待つばかりの生徒さんより、このおうち時間を利用して、ブック式写真立てをお作りになったとのご連絡。

一緒に画像を送ってくださったので公開いたします。

以前、夏のお着物の最高級品の反物、越後上布にする苧(からむし)という上質の麻の生産からはじまり、糸を紡ぎ、そして機を織って作り上げるお仕事をなさっていたそうです。

かつてご自分で仕上げた苧の反物を藍染にし、染め上げて仕上がった布を使用して、表側にはイタリーのペーパーやクロスを使われ、何ともインターナショナルで高級な作品が仕上がりました。

藍染


表面はウレタンボールが入っているのでふっくらとして立体感があります。
アトリエでは、はがきサイズの写真が入るブック式写真立てで作り方を初級コースでお教えしています。

彼女の織機はじめ関連のお道具をを作り上げてくださった大工さんの命日に間に合うようにお作りになったそうです。素敵なお話です。


open

コツコツとお仕事の合間に毎月アトリエに遠くから通ってきてくださった生徒さんですが、私も着物が大好きで越後上布の着物は何千万円もする高価なお着物ですから、それを織っていらしたと聞いて感激していました。

そして、趣味で長年習っている御家流香道の先生のご先祖は、室町時代に新潟でとれる最高級のからむし(青苧といいます)の販売権益を一手に押さえて、それを朝廷に納めていたというお公家様、不思議なご縁と思っています。

この史実は青苧が、租税として取り扱われていたため、国税庁のホームページにも記載されているぐらいで興味深いものがあります。